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やっぱり昔の『ちびまる子ちゃん』が好き

1990年(平成2年)ちびまるこちゃんの初回アニメ放送が始まりました。有名すぎて何も説明する必要のないくらいの国民的アニメです。当時、幼稚園だった私も当然のように見ていました。子供だけじゃなく社会的なムーヴメントも起きていたような気がします。バラエティ番組で取り上げられたり、マルちゃん役をしているTARAKOさんがテレビ出演していたり、そしてちょうどこの時は世界的なレトロブームもあったことから『ちびまる子ちゃん』は素晴らしいタイミングで世の中にでてきたと思います。当時の日本はバブル景気の真っただ中、経済的にイケイケだった日本でちょっと一息つきたいというニーズに『ちびまる子ちゃん』は見事にこたえていたと思います。

『ちびまる子ちゃん』の舞台は1974年~1975年(昭和49年~昭和50年)の静岡県清水市で、これは原作者のさくらももこさんの子供時代がベースになっているそうです。どんどん豊かになっていく日本でひたすら前だけ見て働いてきた日本の大人たちは『ちびまる子ちゃん』の世界観にほっこりさせられ、そして懐かしさを感じたと思います。そして当時の子供たちには単純に新鮮で笑えるアニメとして人気がありました。

ちびまる子ちゃんの魅力はレトロな部分だけでなく何とも言えない独特の絵とブラックユーモアでした。さくらももこさんの描く世界観は本当に独特でインドや東南アジアの雑貨のような色彩感覚とアカデミックではない二次元のポップな前衛アートのようなアングロ感も漂っていました。実際に漫画の中に出てくるキャラクターの丸尾君は前衛的でアングロな絵を描くイラストレーター兼漫画家の丸尾末広さんがモデルになっていると言う説もありました。さくらももこさん自体がそういった前衛的なアングロ芸術に興味があったかお好きだった可能性もあると思います。

ブラックユーモア感は今のちびまる子ちゃんにはありませんが初期のまるちゃんは本当に人間臭いブラックユーモアがあふれていました。まる子ちゃん自身もそうですが友達のたまちゃんも性格がもう少しやらしい感じがありました。やらしいというのはスケベという意味ではなく、まるちゃんを目を細めて疑いの目で見たり、マルちゃんに対してあきれてみたり、もちろんいい子ではあったけど時々はそういう人間的な面もみせてくれていました。ちびまる子ちゃんは人間同士の中で起きるばつの悪い事柄を非常によく描き出しているなと思います。それは誰しも心当たりがあり共感できるような些細ではあるけどやっぱり恥ずかしいことです。何か気まずいことが起きるとキャラクターの目の下や頭の上などに何本かの縦線が間の抜けた効果音とともに下りてくるのも当時のまるちゃんの定番でした。

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まるちゃんとたまちゃん

個人的にはこんな初期の『ちびまる子ちゃん』が好きです。

 

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